トーンカーブ
明るさとコントラストを補正するためにトーンカーブと呼ばれるグラフを使用します。
明るさとコントラストは上記の設定のようにスライダーで設定できますが
スライダーを使用して明るさやコントラストを補正してしまうと細かい調整ができない上に
画像の多くの情報が失われてしまうのでできればこちらのトーンカーブを使用したほうが良いでしょう。
慣れないと難しく感じるかもしれませんがトーンカーブは使い方がわかれば非常に詳細な補正が可能で便利です。
まずトーンカーブの見方を説明します。
横軸(x)が入力値(補正前)、縦軸(y)が出力値(補正後)です。
また直線の下に書かれている山型のグラフはヒストグラムと呼ばれる入力画像の色の分布をしめしたものです。
(山の大きさ=その色のピクセルの数、だと思ってください)
色は0〜255までの数字で示すことができ、0が黒で255が白です。
グラフは原点を0とし、右方向および上方向に行くにつれて白(255)になります。
ここでは説明のためにグラフのひとつのメモリを10として考えます。
なにも変更していない状態は入力値=出力値で上のような直線になります。
たとえば、入力値10のものを10で出力してほしい場合x,y=(10,10)ですね。
では、入力値10のものを20の明るさで出力したい場合、x,y=(10,20)になりますね。
曲線を動かしてみましょう。
こうなります。
このグラフは、もともと10の暗さだった画素を20の明るさに変えて出力しろ、ということです。
つまり補正後の画像は元の画像より明るくなります。
逆にもともと10の暗さだった画素をさらに暗く0の明るさ(黒)にかえて出力する場合は
このようなカーブになります。
この場合入力の値が0〜10だった画素はすべて0(黒)になって出力されます。
これがトーンカーブを使用した明るさ変更の仕方です。
上の例はかなり極端ですが、実際画全体を明るくしたい場合はトーンカーブの中心を上に持ち上げ、
画全体を暗くしたい場合はトーンカーブを下に下げます。
トーンカーブの設定と実際の画の変化を見て見ましょう。
次にコントラストの変更です。
コントラストとは明暗の差のことなので、コントラストの高い画を作りたい場合は明暗の差を元の画よりはっきりさせてあげればよいのです。ではトーンカーブをつかってどのように変えるでしょうか?
トーンカーブは上のようにひとつのポイントのみしか変更できないわけではなく、グラフ中にいくつ設定変更ポイントを置いてもよいのです。
明暗をはっきりさせた画像を作るには、
明るい部分をもっと明るく、暗い部分をもっと暗くすればよいのです。
たとえば入力10の画素を0に変え、入力40の画素を50にするなど。
かなりコントラストの強い画になりましたね。
このように
コントラストの高い画を作るときはトーンカーブをS字曲線にするのが基本です。
逆に
コントラストの低い画を作りたい場合はこのカーブと逆の逆S字曲線というカーブを使います。

コントラストの低い画ができました。
トーンカーブは詳細な設定ができとても便利です。