撮影モード


初期設定が終わったらいよいよカメラの設定です。

ここでは撮影モードを設定するのですが、そもそも撮影モードとは何なのでしょうか?

撮影モード = カメラに光を取り込む方法

です。(厳密にはもっとありますがここでは単純にこう考えてOKです)

一番最初に写真を撮影する上で「光」がすごく大切、というお話をしましたね。
カメラに取り込む光の量の調節は「絞り」と「シャッタースピード」で決まります
そしてこのカメラに取り込む光の量のことを「露出値(EV)」といいます。

露出値の算出方法は簡単

絞り(Av) + シヤッタースピード(Tv)  です。

下の図を見てください。



なにか撮影をするとき、必要となる露出値が6だったとします。

その場合図の3つのどの組み合わせでも露出値は6になるので
どの組み合わせでも適切な露出値を得ることができます。

では露出値が同じなのでこの3つの条件でそれぞれ撮影した場合、すべて同じ画になるのでしょうか?
答えは NO! です。

どういう場合にどういう設定にすればいいのか、その設定を撮影モードの設定といいます。

それぞれの撮影モードについてみていきましょう。

Autoモード



自動モードです。
すべてのカメラの設定をカメラがそのシーンに応じて自動で最適なものを選んでくれます。
初心者でもとりあえずはうまく(?)いや、無難な画が撮れます。
よっぽどのことがない限り失敗はしないので、とりあえずきれいな写真云々より
記録として撮っておきたいときはAutoで十分です。

むしろ他の撮影設定に慣れていない場合はAutoが一番上手く撮影できるので、
撮り逃したくないシャッターチャンスを狙っている場合はAutoにしておくのが良いと思います。

おそらくこのAutoモードで撮影する方すごく多いと思いますので
ニーズに合わせてメーカーもこのAutoモードにはかなり力を入れて開発しているのではないかと。

その分メーカーの特徴が一番でやすい写真になる、ともいえると思います。

ただ、先ほどの言ったようにカメラが自動で最適なものを選んでくれる反面、
ユーザは設定をいじることはできません。

撮影条件 撮影モード:Auto(マクロ)

被写体が近かったためAutoモードで「マクロシーン(接写)」に設定されていました。
三台の車の位置にピントがあっていて、後ろのクマさんはぼやけていますね。

このようにそのシーンの明るさや被写体との距離など、さまざまな環境条件を考慮して
Autoモードではカメラが一番よいと考える設定にしてくれます。


Pモード(プログラムオートモード)



プログラムオート?さっきのオートモードと何が違うの?

って思いますよね。
この撮影モードは、「絞り」と「シャッタースピード」だけカメラが自動で設定してくれる撮影モードなんです。
そのため、画質設定はユーザがお好みで変えることができます。

Aモード(絞り優先モード)



絞り優先モードではユーザが任意の絞り値を設定することができます。
その絞り値に合わせて適切なシャッタースピードカメラが自動で設定してくれるモードです。

先ほどの図で説明すると、ユーザが絞り値を1で設定した場合、シャッタースピードはカメラが自動で5にしてくれる
そんなモードです。なんとなくわかりますか??

では絞り値を変えると何がかわるのか、といいますと「ピントのあう幅」です。

絞りは F値 という値で表されます。

ここで要注意ポイントなんですが、
絞りが大きい(開かれている)ほどF値は小さく、絞りが小さい(閉まっている)ほどF値は大きい
ことです。絞りの大きさとF値の表記は反対なので気をつけてください。

F値が小さい(大きく開いている)=ピントが合う部分が少ない
F値が大きい(小さく開いている)=ピントが合う部分が多い


という具合になっていますので、背景をぼやかしたいときはF値を小さく、
背景まではっきり撮影したい場合はF値を大きく設定しましょう。


撮影条件 撮影モード:A(F値=4.1) 詳細設定:WB(Auto) / ISO(Auto)


撮影条件 撮影モード:A(F値=22) 詳細設定:WB(Auto) / ISO(Auto)

どうですか?
後ろの車に注目してみてください。上のF値=4.1の画像だとぼやけていますが下のF値=22の画像だとはっきりとしていますね。


Sモード(シャッタースピード優先モード)



シャッタースピード優先モードではユーザが任意のシャッタースピードを設定することができます。
そのシャッタースピードに合わせて適切なF値をカメラが自動で設定してくれるモードです。

シャッタースピードは数字で表されますが、表示されている数字分の1秒の速さがシャッタースピードですので
100の場合は1/100秒、1600の場合は1/1600秒となります。つまり数字が大きいほうがシャッタースピードが速いです。
ただし 数字"の場合はそのまま秒数となりますので 3" の場合は 3秒 です。

シャッタースピードは時間を切り取る長さのようなものです。
シャッタースピードが早い(高速シャッター)とシャッターが開いている間が一瞬なので
被写体の動きが少なくなりぶれの少ない写真になります。
シャッタースピードが遅い(低速シャッター)とシャッターが開いている間に
被写体の動きが多くなりぶれのある写真になります。

ぶれなんてないほうがいいのでは?と思うかもしれませんが、
動きを表現したいときなどはこの低速シャッターで撮影すると躍動的な画が撮影できます。
川の流れや花火の撮影などは低速シャッターが好まれます。

撮影条件 撮影モード:S(設定値=100) 詳細設定:WB(Auto) / ISO(Auto)


撮影条件 撮影モード:S(設定値=3.2”) 詳細設定:WB(Auto) / ISO(Auto)

一応テンプレート的に撮影しましたが静物なので差がわからないですね(~_~;)
背景の変化はF値がかわったせいです

実際の写真を見てみましょう。

低速シャッター@グアム

高速シャッター@沖縄

上の低速シャッターの写真は車が動いている様子が光のブレとなって表現されていて
とても躍動的だと思いませんか??
一方下の高速シャッターの写真は水滴が落ちて水しぶきがあがるその一瞬を捉えたものです。

シャッタースピードはカメラの性能なのである程度範囲は選択可能ですが、
絞りはレンズの性能によるためレンズによってはあまり設定の範囲が広くないこともあります。

その場合絞りの設定で制御しきれる範囲を超えたシャッタースピードを設定してしまうと
露出値が正常でない画ができてしまいます


撮影条件 撮影モード:S(設定値=1600) 詳細設定:WB(Auto) / ISO(Auto)

シャッタースピードを高速に設定しすぎたため、
絞りを最大まで開いても露出値が足りず暗くなってしまいました。


撮影条件 撮影モード:S(設定値=10) 詳細設定:WB(Auto) / ISO(Auto)

今度は逆にシャッタースピードを低速に設定しすぎたため
絞りを一番閉じても光が入りすぎていまい白トビ画になってしまいました。

このような失敗もありますが、制御範囲外の値を設定した場合、モニターにエラー表示がでるので、
それにちゃんと従っていればこのようなことは起きないです。


Mモード(マニュアルモード)

F値、シャッタースピード両方をユーザが設定できるモードです。
ただしこの場合必要な露出値を自分で見極めて、それぞれをどの設定にするか決めなくてはならないので
光を読むのに慣れていないと失敗しやすいモードです。
適正な露出値が6なのに絞り1、シャッタースピード2などに設定してしまうとSample1.6のように暗くなってしまいますし
また絞り5、シャッタースピード5などに設定してしまうと明るすぎる画になってしまいます。

露出が変わりやすくSやAなどで固定にしてしまうと設定が面倒な場合などはMが適していますが、
適切な露出を判断できるようになるには経験と慣れが必要です。

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